【ブレーキの調整】「インナーワイヤー」の交換だけなら簡単にできる?

「ブレーキワイヤー」のほつれが気になっていたのですがついに「ズルッ」と切れてしまったので「ワイヤー交換」を行いました。

写真の様に「ワイヤー」がほつれてしまい「ブレーキ」は効かない状態。長年使用していると錆に強いステンレス製の「ワイヤー」にも錆が発生し劣化します。「ワイヤーの束」になっているステンレス線が1本ずつ切れ、やがて強度に耐えられなくなり破断してしまいました。
「ワイヤー」の交換は思った以上に簡単でしたので記事にしました。

「自転車」の仕組みが何となく分かり、工具もそれなりに持っている方なら記事を読むまでもない内容です。
素人でも調整や修理を行えるのが自転車のいいところ。チャレンジしてみようと思う方は参考にしてください。

慣れれば作業自体は10分位です。(購入時間は含まず)

「インナーワイヤー」の購入先

「ブレーキワイヤー」は「ホームセンター」や「自転車店」で購入可能です。今はネットでも頼めますがどれが適応しているのか不安な方は、お店に足を運んで自分の目で「自転車」に使用されているものと同じものを確認した方が確実です。不安ならば店員さんに聞けば良いだけだし、もし作業の不安を感じるのならそのまま修理依頼すれば良いだけの事です。

忙しい世の中「お金で解決」する事も必要です。

「自分でやって見ようかな?」と思う人は読み続けて下さい。
私は「ホームセンター」で「インナーワイヤー」を購入しました。

「前輪用」と「後輪用」のセットと「インナーワイヤー」のみ

ホームセンターでは大抵ブレーキワイヤーのセット「前輪用」「後輪用」が販売されております。
更に「インナーワイヤー」のみの販売もしてます。「インナーワイヤー」は「前輪用」「後輪用」で販売されているのかは未確認です。

価格はワイヤーのセットで「前輪用」で¥600位。「後輪用」で¥1,000位です。
インナーワイヤーだけなら¥300位ではないでしょうか?

「前輪用」と「後輪用」の違いは単純に長さの違いです。
「前輪用」は「ブレーキレバー」から「キャリパー」までの距離が短いので80㎝前後の長さで販売されてます。
「後輪用」は後輪のブレーキ(キャリパー、ドラムブレーキ、ローラーブレーキなどがあります)までの距離が長くなりますので、必要な長さも長くなり180㎝前後で販売されてます。

適当ですみませんが廉価で購入できる事は伝わると思います。
購入時はザックリと長さを計測して、短くならない長さのものを購入すれば問題ありません。
長さに不安があるのなら長めのケーブルを購入すれば、多少の価格の違い(当然長いほど価格が上がります)はあるものの「短くて使えない・・・」と言う事態にはなりにくいです。

ザックリと長さを計測して・・・が人によってその「ザックリ具合」が違うので一応ですが「メージャー」を試用してくださいね。このように書いておかないと「見た目でこの位かな~」と言う方がおられるのも事実です。
長さを測る事を生業としている方以外には、何を計測するにも「目測」はおすすめできません。

ところで「ワイヤー」と「ケーブル」の違いは?

記事を作成している時に「ワイヤー」と「ケーブル」どちらの表記が正しいのか?
気になってしまいました。私個人としては「伝われば良い」と考えていたのですがもしかしたら気になる方もいるかもしれません。

金属の線を合わせてあるのが「ワイヤー」でさらにそれを合わせたのが「ケーブル」と言うらしいです。
今回交換したのは「ブレーキワイヤー」と言うのが正しいのでしょう。多分ですが・・・

今回交換していない「ブレーキアウター」は「ブレーキアウターワイヤー」と言うのか「ブレーキアウターケーブル」と言うのか?なぞは深まります。

どうでもいい事にこだわって揚げ足を取る人がいるので、話が進まなくなってしまう事になるのでしょう。
言葉は伝われば良いだけの事です。

「インナー」と「アウター」?

「インナー」とか「アウター」とか一体何のことか分からない人もいるかも知れないと思い追記します。
「ブレーキワイヤー」は「インナー」と「アウター」がセットになって初めて稼働します。

「アウター」は外側の筒状になった「ケーブル」です。「インナー」はその中に通してあるワイヤーです。

「ワイヤー」と言うのか「ケーブル」と言うのか悩みましたが、どちらも同じようなものですので詳しくは調べておりません。厳密には呼び方の違いがあるものと思われますが一般の方にはどうでもいい事ですので・・・

この書き込みの中でも記載が混ざっており、悩んでいる事が分かると思います。
申し訳ございません。

今回は「アウターケーブル」の中に通されている「インナーワイヤー」の交換の事を記しています。
中に通っている「ワイヤー」を交換するだけなので簡単な作業です。

「ブレーキワイヤー」の交換ができれば「シフトワイヤー」も仕組みは同じなので、機会がありましたら良く観察してみて下さい。

「一般車用」と「スポーツ車用」タイコの違い

ブレーキレバーワイヤーのタイコ部分

「おいおい分からなくなってきたぞ?」と諦めないで下さい。この辺は自分の「自転車」に付いているものを比較して同じ「ワイヤー」を購入すれば良いだけです。

「タイコ」とは?

「一般車」「スポーツ車」でブレーキレバーに引っ掛ける金具の形が違います。

この金具の事を「タイコ」と言います。

「ママチャリ」なら「一般車用」を購入する事になります。しかし大抵は両用?で販売されています。

両用?と言われると話がややこしくなりますが「ホームセンター」で探せば「なるほど!!」と思うはずです。
「インナーワイヤー」のそれぞれの両端に「一般車」と「スポーツ車」用の「タイコ」が付いているものが販売されております。

写真では少し分かりずらいです。
それと付属で付いていた「エンドキャップ」(ビニールの中)これが「インナーワイヤー」のセットです。

「ブレーキワイヤー」の取り外し

ブレーキワイヤーのほつれ

「ブレーキアーチ」に付いている「ワイヤーの固定ボルト」を緩めます。
緩めるのには10㎜のレンチが必要です。
「固定ボルト」を緩めると「ワイヤー」を抜く事ができるのですが、抜く前に「ワイヤーの保護」のために付いている「エンドキャップ」を外しておきます。

ブレーキレバーのタイコ

外し方はカシメてある(ワイヤーカッター等で締めてあるため)ところをペンチ等でつまんであげれば外せます。

新しい「エンドキャップ」があるのでわざわざ外さず、写真のほつれたあたりを「ワイヤーカッター」でサクッと切ってしまう方が簡単です。

「ワイヤー」が緩めば「ブレーキレバー」のタイコ部分が外せるようになりますので、「タイコ」を外して「アウターケーブル」から「インナーワイヤー」を抜いてしまえば取り外し完了です。

「ワイヤー」交換にしようした工具

ワイヤーカッター

「固定ボルト」を緩めるのに「10㎜のレンチ」。「ワイヤー」をカットするのに「ワイヤーカッター」(写真)を使用しました。

後は手の保護のために「軍手」があると便利です。最近では細かい作業を行う時は掃除とかで使用する使い捨ての「ニトリル手袋」(薄いゴム手袋)を使う方もいるようです。

自転車用マルチスパナ

自転車用の「マルチスパナ」を持っていると何かと便利です。価格も¥300程で精度と作りは良いとは言えませんが、たま~に使う程度なら問題ありません。

少し距離を走る人は緊急用として携帯するのもありかもしれません。

「インナーワイヤー」の取り付け

取り付けは取り外しの逆作業ですので「ブレーキレバー」に「タイコ」部分をはめて「アウターケーブル」の中に「インナーワイヤー」を通し元通りにするだけです。

その前に・・・使用しない方の「タイコ」をカットしなければなりませんね。

パッケージにタイコの写真が・・・「ワイヤーニップル」と説明してありました。両端にそれぞれの「タイコ」が付いているので必要の無い方をカットして使用。
今回はドロップハンドル車の「タイコ」は必要ないのでカットしました。

「アウターケーブル」に通して元通りにします。
そして「インナーワイヤー」を「固定ボルト」に仮止めして置きます。

仮止めにしておく理由はこの後に「リムとブレーキシュー」のクリアランス「ブレーキレバー」の引き具合を調整するためです。

「リムとブレーキシュー」のクリアランスは左右1㎜づつ位が目安です。

「固定ボルト」に通した後、適当な長さにカットするとその後の作業が行いやすいです。30㎝も余裕をとっておけば十分と思います。(個人的な経験で)

「インナーワイヤー」を固定後の調整

正直この作業が一番時間が掛かります。作業としてはですよ。
「ブレーキワイヤー」の購入に「ホームセンター」に足を運んで購入してくる方が時間が掛かりますので・・・

最近は言葉が難しいです。間違った言葉を使ったり、言葉が足りないと直ぐに揚げ足を取られてしまいます。
余計な事ですがマンションの理事会や総会での質問はなかなか手ごわいので私には歯が立ちません。同じ居住者なのに・・・

アジャストボルト

さて調整はまず「ブレーキアーチ」の固定ボルトの上にある「アジャストボルト」が長く飛び出ている場合は1㎜位の余裕を取って元に戻します。(時計回りでねじ込む)

写真は以前の使い回しで「アジャストボルト」も錆が出ていて汚いですね。

これは後で調整幅を持たせるためです。1㎜の余裕はリムとブレーキシューの幅が詰まり過ぎていた場合、その間隔を広げるために開けておきます。

仮止めしておいた「ワイヤーの固定ボルト」を少し緩め「インナーワイヤー」が動かせるようにします。
次にブレーキアーチを握ってブレーキシューをリムに押し付けて「ブレーキワイヤー」を引っ張ります。
「ワイヤー固定ボルト」をワイヤーが抜けない程度に仮止めします。

ブレーキ握り具合

「ブレーキレバー」を軽く操作して(強く握るとワイヤーが抜けてしまうため)レバーの握り幅を確認します。
個人的には「ブレーキレバー」と「ハンドルバー」の中間になるように調整します。

写真は使い回しで「ロードバイク」のものです。

この段階で「ハンドルバー」に「ブレーキレバー」がくっ付いていしまうようなら、「ワイヤー」のテンションが弱すぎます。この感覚を教えるのが難しいです。何度か「ワイヤーの固定ボルト」を緩めて「ワイヤー」を引っ張って「リムとブレーキシュー」の間隔を確認して「固定ボルト」を仮止めして・・・

この作業を繰り返します。慣れてくると説明するまでもなく行う組付け作業です。少し慣れが必要かも知れません。

ある程度の範囲で調整出来たら(この「ある程度」が難しいのですが)個人的な握り幅の好みや後の「ワイヤーの伸び」を考慮して多少きつめにしておいたり・・・

「ブレーキレバー」の握り具合が決まったら「固定ボルト」を本締めします。強く握っても抜けず尚且つボルトを壊さない程度の強さです。

「ボルト」の締め具合は経験です。材質がアルミ等で特殊でなければ壊れる事はないと思います。

締め具合の表現も曖昧ですみません。「しっかり締めて」と言うと本当に力任せに締めてしまう方がいるのも事実です。会社では水道の蛇口を本当に「これでもか!!」と言うほどきつく締める方がいます。これをやられると蛇口本体が直ぐに摩耗して水漏れの原因になってしまいます。中の「コマ」を交換だけなら¥100かそこらで済むのに・・・

「アジャストボルト」で微調整!!

アジャストボルト

「固定ボルト」の本締めをして「ブレーキレバー」の握り幅に問題がなければ調整作業はここで終了ですが、もう少し握り幅を「多くしたい」また「少なくしたい」時に「アジャストボルト」で調整します。

「多くしたい」時はボルトを「時計回り」にまわし「アジャストボルト」を締め込みます。
先に「アジャストボルト」に1㎜の余裕を持たせておいたのは、この締める側の調整を行うためです。

また出た使い回しの汚い写真ですが、1㎜程余裕が開けてありました。

「少なくしたい」時は「反時計回り」にまわします。

ワイヤーとエンドキャップ

調整が完了したら余計な「ワイヤー」をカットします。5㎝位が目安です。多少長めの方が後に何かしらのトラブル?「固定ボルト」の締め付け不足があった時に再締め付けしやすくなります。

あまり長いとだらしないですし、引っかかったりする可能性も高くなります。逆に短いとスタイリッシュですが何かしらの理由で「固定ボルト」を緩めての再調整の時に再締め付けしにくくなります。(できないわけではないです)

「エンドキャップ」はケガ防止のため必ず付ける

「インナーワイヤー」をカットした後は「エンドキャップ」を必ず付けておきます。(写真のジップ袋に入っているヤツ)

「エンドキャップ」は「ワイヤーカッター」で軽く挟んで取り付けます。別にペンチで握って付けても構わないと思います。

「エンドキャップ」を付ける理由ですが、ケガ防止のためとワイヤーのほつれ防止のためです。
「ワイヤー」のほつれは思わケガにつながります。普段はめったなことで触る事はないのですが、何かしらの作業、空気入れや掃除の時に触れてしまうと切り傷の原因になります。

思わぬ時に「サクッ」と切れます。

馴染んできたら「アジャストボルト」で微調整

しばらく使用すると「ワイヤー」が馴染んできます。馴染むとはワイヤーが伸びるのでその時は「反時計回り」にまわして「ブレーキレバー」の握り幅を調整する事になります。

「アジャストボルト」の調整幅がめいいっぱいになってしまった時は「アジャストボルト」を「時計回り」にまわして締め込み、「固定ボルト」を緩めて「アジャストボルト」締め込んだ分「ワイヤー」を引っ張って再固定してあげれば調整完了です。

簡単に端折って書きましたが一度ワイヤー交換を行っていれば仕組みは分かっているので調整も簡単にできるはずです。

「インナーワイヤー」の交換だけなら簡単にできる?まとめ

「インナーワイヤー」の交換について記しました。
説明をはじめると思いのほか説明する事が多く、ここまで読んでいただいた方には感謝しかありません。

分かる方なら「同じワイヤー買ってきて交換するだけ!!」

この一文で完結してしまうのですが、分からない方にはそうは行かないと思い記事にしました。
実際会社で「スパナ」を使わせると「ボルトがちぎれるまで締め込んでしまう方」も結構な割合でいたりします。

「インナーワイヤー」の外し方から、その両端に付いている「タイコ」の事。
「ワイヤー」の長さまでできるだけ詳しく記してみました。

全く分からない方が少しでも「へ~こんなもんなのか?」と知って頂き「自分でも出来るかも?」と思って頂ければ嬉しく思います。

自分が手を掛けた「自転車」は不思議と調子も良くなり、長持ちするものです。
「お金で解決」と言う方法もありますが、自分で行うのも悪くはないものです。と言うより「自転車いじり」は基本的な工具の使い方の練習にもなります。

そして自分で調整した「自転車」で走るのは「楽しい」です。
調子のよい「自転車」で毎日を楽しんでいただければ嬉しいです。

珍しく「自転車ブログ」っぽい締めくくりになりました。
それでは楽しい自転車ライフを、そして少しでも共感頂ければ幸いです。
ありがとうございました。

コメント